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骨は浮いている?筋膜スーツが体を牛じる

ヨガ講師育成トレーナー、 リブウェルインスティテュートのKenです。

今日は筋膜について考えてみましょう。筋膜についてはFIELD RIVER 筋膜治療院さんのホームページにとてもわかりやすく書かれていますので今回はそれを抜粋して書かせて頂きます。詳しくはこちらへ

http://fieldriver-kinmaku.com/

最近になってようやく、「筋膜」というものが注目されるようになってきました。

それでも、まだ初めて耳にする方のほうが多いと思います。

骨、筋肉、関節などと違い、なかなかイメージも湧かないでしょう。

それもそのはず、これまで「筋膜」は、あまり重要視されてきませんでした。

実際、医学の基礎となる解剖学の教科書や書籍には、「筋膜」についての説明は、ほんの2、3行しか説明されていないものがほとんどです。

教科書に、たった2、3行しか説明されていないのですから、「筋膜」というものに、本当は、どういう役割や機能があるのか、医療に携わる方たちでさえ、よく知らないのが現状です。

医学の基礎となる解剖学は、身体を分断し研究する学問です。身体を部分ごとに細かく調べていく視点が中心になっています。

そのおかげで、様々な病気の原因がわかるようになり、外科手術の技術や薬が発達して、数多くの人たちの命が救われ、様々な病気や外傷を治せるようになりました。

したがって、身体を1つの統合体としてまとめながら機能している「筋膜」も、バラバラに分解されてしまいました。そのため、「筋膜」の重要な役割と機能は見過ごされてしまったのです。

痛み・コリ・しびれなどの症状がなかなか改善されなかったのは、「筋膜」が身体にとって、どれだけ重要な役割と機能を果たしているのか知られていなかったため、といっても過言ではありません。

「筋膜」の重要な役割と機能を理解すると、痛み・コリ・しびれの原因がハッキリします。

「筋膜」が、どういう役割と機能を果たしているのか、くわしく見ていきましょう。

筋膜の役割と機能

筋膜とは、膠原線維(コラーゲン線維)の薄い膜で、身体中いたる所に網の目のように張りめぐらされています。

解剖学の教科書の説明では、筋肉を包む結合組織で、筋肉を保護し、隣り合う筋肉同士に摩擦が起こらないように、運動を円滑にしているもの、と述べられています。

これも含めた上で、筋膜を3つの役割に分けると次のようになります。

筋膜の3つの役割

① 身体の容器

② 身体の支え・型

③ 身体の力学的情報網

わかりやすくイメージできるように1つ1つ説明していきましょう。

① 身体の容器としての役割

筋膜は、筋肉・骨・内臓・関節・血管・神経など、あらゆる機能組織を包み込み、支え、分離し、結合させたりして、身体の容器として重要な役割を果たしています。

例えば、グレープフルーツの構造をイメージしてみましょう。

グレープフルーツの果肉1粒1粒は、まとめられて、薄い皮で包まれ支えられて、1つの房になっています。

1つ1つの房は分離されつつも、1つのかたまりに結合されています。

そのまわりを厚い外皮が包んで1つのグレープフルーツになっています。

私たちの身体も、筋肉・骨・内臓・関節・血管・神経などの果実が、筋膜という薄い皮に包まれ、支えられ、分離され、結合されて、1つの形となって保たれています。

身体には約400の筋肉があり、層のように重なりあっています。

隣り合う筋肉同士が摩擦を起こすことなく、それぞれの方向性と伸縮性を保ちながら、円滑に働くことができるのも、筋膜のおかげです。

また、血管やリンパ管、神経は、筋膜の合間をぬって身体中を走行しています。

そうして、身体中に、血液やリンパ液、神経の電気信号が、スムーズに流れることができるのです。

筋膜に癒着・縮み・緊張が生じると、筋肉・骨・内臓・関節などの働きが低下してしまいます。

ボディの歪んだ自転車を必死に漕いで、ギコギコさせながら進んでいるようなものです。

また、血液・リンパ液・神経などの流れも滞りやすくなります。

ねじれたホースに水を流しているのと同じようなものです。

例えば、肩こりは、数種類の肩・首などの筋肉の筋膜が重なり合っているポイントで癒着を起こして、にかわづけのように固まっています。

そのため、それぞれの筋肉はスムーズに動けなくなり固まってしまったのです。

さらに固まった部分は、血流が悪くなるので、筋肉や神経に酸素と栄養が行き届かなくなり、一層固まってしまうという悪循環に陥ってしまいます。

なかなか肩こりが改善されないのは、この筋膜の癒着が解消されていないためです。

筋膜の癒着・縮み・緊張を取り除いてあげると、軽くペダルを漕ぐだけでスーっと進む自転車のように、ねじれの取れたホースが元に戻って水がスーっと流れるように、筋肉・骨・内臓・関節・血液・神経などの働きは改善され、スムーズに機能するようになっていきます。

深部の筋膜の癒着が解消されていくことで、筋肉はスムーズに動き、血流もよくなって、肩こりなどの症状も根本から改善されていきます。

② 身体の支え、型としての役割

身体を支えているものといえば、何でしょう?

ほとんどの方は、骨を思い浮かべるのではないでしょうか。

ところが、身体から骨だけを抜き出して、組み立てて積み上げようとしてもバラバラになってしまいます。

ゴルフボールを積み上げるよりも、トランプピラミッドを作るよりも、はるかに難しいでしょう。

骨の形を考えれば、難しいというより不可能に近いです。

実は、身体を支えているのは、骨そのものではありません。

骨は身体の支柱となってはいますが、筋膜の張力が引っ張り合いながら支えているのです。

テンセグリティ構造テンセグリティ構造というものがあります。

この構造は、棒が他の棒と一切接触せずに、張力のバランスが取れたゴムひもの中に浮いた状態で、支えられ形作られています。

この棒を骨、ゴムひもを筋膜とすると、私たちの身体もテンセグリティ構造といえるでしょう。

もっとわかりやすい例では、キャンプで使うテントがあります。

テントは、骨組があって、それを布地とロープのテンションで引っ張り合い支えて、形を保っています。

身体も、骨があって、それを筋膜という膠原線維(コラーゲン線維)のテンションで引っ張り合い支えて、形を保っているのです。

また、半分に切ったグレープフルーツから果汁と果肉を取り出したとしても、皮でグレープフルーツの形は保たれるのもイメージできると思います。

このように、筋膜は、地球の重力と協調しながら、身体という構造物を支え形作る役割を果たしています。

筋膜に癒着・縮み・緊張が生じると、身体は歪み、傾いた状態で重力とのバランスをとらなければなりません。

今にも崩れそうな、積み木のような不安定な状態と同じです。

当然、地球上で生活しているかぎり、重力は常に身体にかかっていますから、身体を支えるための余分なエネルギーが必要になってきます。

そして、バランスを取るために別の部位でも筋膜の癒着・縮み・緊張が生じてきます。

すると、疲労感、重だるさ、として感じたり、緊張、コリ、痛み、などが別の場所でも現れてきたりという悪循環にもなりかねません。

身体が歪んでいれば、筋膜という容器に入っている、筋肉・骨・内臓・関節・血管・神経なども機能を低下させてしまいます。

ボディライン、フェイスラインも崩れることになりますから、美容の面でも好ましくないでしょう。

血流が悪くなれば、お肌や髪の質も低下していきます。

スポーツなどの身体活動においても、身体の軸のブレ、無駄な力が入ってしまったり、力が思うように出せなかったりなど、パフォーマンスの低下を招いてしまします。

筋膜の癒着・縮み・緊張を取り除いてあげると、身体の安定感が増し、ボディラインが整った上に、筋肉の動きや内臓諸器官の働きはスムーズになっていきます。

美容においては、整った骨格、血流のいい身体になり、内面からの輝きと美しさを引き出す土台になります。

スポーツにおいては、身体の中心軸が定まり、大きな力とエネルギーを発揮できる土台になります。

③ 身体の力学情報網としての役割

身体のいたる所に張りめぐらされている筋膜は、身体に加わった力のエネルギーを伝達する働きを担っています。

例えば、毛糸で編まれたセーターを思い浮かべてみてください。

セーターの繊維を1本引っ張りだすと、その繊維がつながっている遠い部分にまで、力が伝わっていきます。

また、セーターの形も全体として歪むことになるでしょう。

身体でも、足の指から筋膜という線維を1本引っ張り出すと、それが顔面部にまで伝わっていくということです。

ある部分の張力が遠く離れた部位に影響を与えています。

こうした筋膜のつながりのラインですが、経絡というツボの流れのラインと一致している部分も数多くあります。

筋膜の概念を持つことで、4000年の歴史から積み上げられてきた東洋医学の概念も理解しやすくなるかもしれません。

内臓の状態があらわれる足裏の反射区なども、内臓からの筋膜のつながりを考えれば、理解しやすくなるでしょう。

このような筋膜の働きにより、ある部分の異常が、遠く離れたところで痛みやコリ、張りなどの症状となってあらわれていることがあります。

逆にいえば、痛みやコリ、張りなどが現れている部分の筋膜を調整してあげることで、ある部分の異常の改善を図ることもできます。

例えば、妊婦さんの骨盤まわりの筋膜を調整すると、施術の最中からお腹の張りが取れて、子宮の緊張が抜けて、赤ちゃんがムニュムニュと動きやすくなります。

側頭部の偏頭痛持ちの方が、お尻の横の中殿筋の筋膜を調整することで、解消されることもあります。

坐骨神経痛と言われ、痛みとしびれで動かせなかった脚の症状が、足首の筋膜の調整でスッと消えてしまうこともあります。

これらは、筋膜を通して身体中にネットワークが張り巡らされているからなのです。

こうした一部の例からでも、症状が出ているところが必ずしも原因ではないというのもイメージしやすいのではないでしょうか。

筋膜に癒着・縮み・緊張が生じると、身体の力の伝達が鈍くなり、動きのしなやかさやバネがなくなってきます。

また、内臓諸器官へも緊張が伝わり、長期化すると様々な病気を引き起こしやすくしてしまう可能性もあります。

筋膜の癒着・縮み・緊張を取り除いてあげると、身体のしなやかさや柔軟性、バネが取り戻され、スポーツなどの身体パフォーマンスが向上していきます。

また、呼吸がしやすくなった、便通が改善した、内臓の炎症がなくなった、生理痛が軽くなった、などのように内臓諸器官の働きも改善していきます。

筋膜の不具合が身体の不調を引き起こす!?

筋膜の不具合は、長時間の同じ姿勢、使い過ぎ、運動不足、疲労、ケガ、ストレスなどにより生じます。

筋膜に癒着・縮み・緊張などの不具合が生じると、3つの役割と機能がうまく果たせなくなり、身体の諸機能が低下し、歪み・痛み・コリ・しびれ・病気などの症状が引き起こされてしまいます。

症状の根本的な原因となっている筋膜の不具合を見極め、解消することで、今までなかなか治らなかった症状が大きく改善していくのです。

今回は筋膜に関してお伝えさせて頂きました。

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