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閑座して松風を聴く

金沢に来ています。

本日は和室をお借りしての養成クラスです。ふと床の間を見ると掛け軸が掛かっていました。みなさん、この文字読めますか?「松風」は読めましたがそれ以外は難しですねよ。。。。

便利な時代です。ネットに「松風」「坐」と文字を入れてググったところありました。

「閑座聴松風」と書かれた禅語でした。「閑座して松風を聴く」と読むようです。

意味は次にようなものです。

  1. 閑坐 … 一切の妄念を離れて坐禅すること。

  2. 松風 … 松の木に吹く風(の音)。静寂の世界を表す。また、茶の湯では茶釜の煮えたぎる音をさす。

  3. 芳賀幸四郎『新版一行物』には、「『閑坐』とは心閑かに坐ることであるが、その坐る場所は、深山の樹下石上や清浄な禅堂や閑静な茶室でなければならぬことはない。(中略)達人にとっては十字街頭の高層ビルの一室でもよいし、わが家の茶の間であってもよい。また、この松風はあえて松籟しょうらいだけとは限らない。杉風さんぷうでもよいし欅けやきの梢を揺るがせる風の音でもよいし、茶釜の煮えの音でもむろんかまわない。問題は『何で聴くか』である。(中略)『心の耳』で聴き、肚はらでよく味わってしみじみと聴くことである。(中略)松風の音を通して『天地の鳴佩めいはい』、すなわち宇宙の大生命の息吹きを聴き、それと合一する境に遊ぶことである」とある。

この季節、落ち葉が部屋に入ってきたり、季節の変わり目が目立つ季節ですが日常の慌ただしさに気を奪われているとその季節の移り変わりに気づかずに終わってしまうことがあります。12月の師走に入るとなおさらのこと周りに振り回されて慌ただしさが増します。この季節こそ、マインドフルに冷静さを保って繊細に松風を感じることが大切なのです。松風は繊細さの象徴、大いなるものの象徴です。常に大いなるものに意識を向けながら自分を見失わずに忙しい12月を過ごしていきましょう。

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