ヨガ講師育成トレーナー、 リブウェルインスティテュートのKenです。
今日はヒトの健康について考えてみましょう。
ヨガをすると健康になるとよく言われますが、そもそもその健康が何なのかを理解しておかないと危険です。健康そうに見える人が急に病気に倒れたり、健康だと思っていることが間違っていたりすると大変です。薬も身体に良いものですが、正しく服用しないと毒になりますよね。健康的な身体の使い方や、生活の仕方を正しく理解していなくては長期的な健康を手に入れることはできません。 ヨガも身体に良いと言われますが身体に良いことがらや使い方を正しく理解していなくては逆効果になることもあります。 今日は、あらためてヒトの健康について学んでいきましょう。
さて、私はカタカナでヒトと書いていますが、ヒトと人間の違いは何でしょうか。 ヒトとは動物界 脊椎動物門 哺乳網 霊長目 ヒト科のことを意味し、生物学的な意味合いが強いです。 「ヒト」とは「ヒト科」という動物の見方です。つまり、猿から猿人そして人間になった進化生物学的なことです。つまり、進化学ではチンパンジーもオラウータンもゴリラも霊長類で人間の祖先と進化し分化した存在です。 一方、 「人」とは社会経済的な生活を営む人間です。つまり、人の権利つまり人権とか、人の間と書いて人間とかです。人間が独自に自然の中に都市という人工空間をつくり社会生活を営んでいますね。つまり、人間社会の中の人の身分や立場や倫理や道徳や権利や義務の事なのです。つまり、自然科学で見るか、人文社会で見るかの違いですね。
人間の健康というとWHOでも肉体的、精神的、社会的な健康と定義されていますので一言で健康と言ってもどの基準で人間を見るかによって若干考えが変わっています。 ということで今日考えるのは生物学的な「ヒト」の健康ということにしましょう。
では生物学的な、つまり医学的な見地からみたヒトの健康とは何でしょうか? ヨガの講師養成クラスの中でも生徒さんに考えてもらっていますが多くの回答が次のようなものです。
• 栄養バランスが良い • 十分な睡眠?休息がとれること • ストレスを溜めないこと • 体を冷やさないこと • 規則正しい生活 • 体を清潔にする • 安定した生活 • 正しい姿勢 などなどです。 ではここで、対象を換えてみましょう。北極のシロクマの健康とは何ですしょう。
同じように、
• 栄養バランスが良い • 十分な睡眠?休息がとれること • ストレスを溜めないこと • 体を冷やさないこと • 規則正しい生活 • 体を清潔にする • 安定した生活 • 正しい姿勢
でしょうか。クマは冬眠をしませんか?そもそも寒いところにいます。安定した生活などできるのでしょうか?
では次にアフリカのキリンの健康とはどのような状態でしょうか シロクマと同じでしょうか?寒いところがよいですか?規則正しく何でも食べれば良いのでしょうか?ではキリンも3食、たまには牛ステーキも食べるべきでしょうか。
植物の健康とは? 規則正しく毎日水をたっぷりとあげればその分、すくすくと育つでしょうか。
スタジオでも多くの植物を育てていましたが大体枯らしてしまいます。理由は水の与えすぎです。シフトの入れ替えでスタッフが来る度に水をあげたりすることが多いので枯れてしまいます。お花屋さんに聞くと、水のあげ過ぎで根腐れしていると言われます。一般的に植物はしばらく放置して完全に土が乾いたらあふれるぐらいにたっぷりと水を与える!が丁度よいのです。このことは、多分、皆さんも経験されているでしょうし、ご存知の方も多いと思います。 飢餓状態にした方がしっかり吸収するということですね。 実はこのことは動物にはあてはまります。ヒトも例外ではないのです。特に日本人は過剰に食事をとっているので植物でいうところの根腐れ状態なのです。規則正しい食事はヒトを根腐れ状態にしているのです。
シロクマやキリン、植物との比較で気づかれたと思いますが、シロクマ、キリンと比較する時の人は「人間」ではなくて「ヒト」です。つまり生物学上の動物としてのヒトです。そしてその動物本来が過ごす環境での野生上の健康で、動物園での健康のことを話しているわけではありません。 得にヨガは動物園で健康になるための抗生物質に頼る健康を目指しているわけではありませよね。ヒト本来がもつ自然治癒力を高める東洋医学的な健康を目指しています。 ヒトの健康を語る時はシロクマやキリンを動物園から開放して如何に本来の姿に戻して健康にするかを考えるようにヒト本来の健康を考える必要があります。
ではここで本来のヒトとはどのようなものなのか考えていきましょう。
話は変わりますがiOSというものがあります。これはスマートフォンiPhoneを動かすオペーレーションシステムです。今のiOSのバージョンをご存じですか。私のバージョンは、iOS12.0.1です。随分進化していますね。iPhoneXが発売されるなど、ハードがどんどん新しくなるのでソフトも進化するわけです。
では話を戻してヒトで考えましょう。
ヒトをコントロールするシステム、ヒトOSのバージョンはどこまで進化していると思いますか?ヒトは既に30万年以上はヒトですからバージョンも30万でしょうか?いやそれ以上???
答えは、1.0.0のままなのです。つまりヒトOS1.0.0で30万年、何も変化していないのです。ヒトはホモサピエンスですがそれを牛耳っているOSは30万年前のままなのです。
ここでスマホに置き換えて考えてみましょう。ここに初代iPhoneのOS、iOS1.0.0とiPhoneXがあります。はたしてiOS1.0.0でiPhoneXはきちんと機能するでしょうか?多分ほとんど動かない、もっと言えば電源さえ立ち上がらないかもしれません。つまり故障です!この故障を直すにはOSを最新版にバージョンアップするか逆にハードを元のiPhone1に戻すかです。
ヒトで言えばOSはバージョンアップできませんから身体の故障がある場合はハードを1.0.0で動くものに変えなくてはならないということです。つまり現代の生活を30万年前の生活に戻すことが必要になります。ヒトとしての動物園から出て、自然界に戻ればOSが機能します。キリンやシロクマは原則自然界に生活しています。ヒトはどうでしょう。原則動物園で生活しています。つまり獣医たるヒトの医師がいなければ生きてはいけないわけです。
本来の健康を取り戻すには自然に変えしてあげることが動物の健康になります。
新潟にはトキが佐渡にいますが、子供のころは天敵から守るために大きな檻で育て、大人に成長したらそのケージから離して自然に戻しています。そのトキを健康に生かすために佐渡島全体を自然な島に戻す努力も同時にしているのです。
ヒトも同じでその本来の健康を取り戻すためには動物園的な生活から脱出して、自然界に戻らなければなりません。日本と言いう島を本来の自然な状態に戻さなくてはならないことにも繋がるのです。 さらに、ヒト本来のハードの機能にヒトの生活スタイルを戻さなくてはOSが機能しません。
そもそものヒトは30万年前に何をしていたのでしょう。それをコントロールする機能がヒトOSですからそれ以外をすれば無理が掛かり故障します。本来の生活に戻せば健康を取り戻せます。
30万年前のヒトの生活は大きく次の4つです。 1、 歩く 2、 走る 3、 猛烈なダッシュをする(逃げる) 4、 眠る
この中で普段していないことをすれば30万年前のヒトに戻って機能が正常になります。健康になります。 既におわかりのように「猛烈なダッシュ!」をすればヒトは健康になります。 食事も規則正しく30万年前には食べることはできません。これはキリンやシロクマ、植物と同じです。食べられる時に沢山食べて、あとは我慢です。規則正しくないこと、ストレスがあることで正常に動くようにプログラムされているのがヒトです。
規則正しさやリラックス、癒しがヒトを不健康にしているのです。
ヒトの健康を語る時はこの数年の近代社会という小さな時間軸の中で考えてはいけません。それは動物園で飼育されている動物や、ペットの犬や猫の健康を考えることと同じです。犬をずっと綱で繋いでいると可哀そうだと思うなら、猫に服を着させていることが窮屈で可哀そうだなあと思うなら、きっと大きな庭や家で開放して飼われることと思います。 もっと言えば自然に帰してあげることが本来の動物の幸せを獲得することに繋がると思われるでしょう。 ヒトも同じことが言えます。
ヒトの健康を考えるときは社会的な人間の“近視的な健康”をもって議論するのではなくて30万年というホモサピエンスとしてのヒトとしての“大きな視点での健康”を考えなくてはなりません。
私たちは、人間であるとともにそもそもホモサピエンスです。
私たちに必要なのは規則正しい生活ではなくて不規則な生活、我慢、ストレスなのです。
ヒトの健康はGO WILDに戻ることなのです。
それを乗り越えるところから身体的強さや健康な力を取り戻すことができるのです。
本日はヒトの健康とは何なのか、その本質についてお話させて頂きました。 ではまた。
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